レッスン

Q. 本当に発音がよくなるのですか?

A. はい。絶対とは申し上げられませんが、ほとんどの方がレッスン開始前よりも発音が向上しています。日本語と英語では使う筋肉や呼吸法が異なるため、日本人が英語の発音に苦労するのはごく自然なことです。舌や唇の使い方、口や喉の開き方、呼吸のコントロールといった要素を、講師のフィードバックをもとに繰り返し調整していくことで、多くの方が「通じる」英語に近づいていきます。

 

Q. 日本人で英語の発音を教えられるのですか?

A. はい、日本人でも十分に英語の発音を指導できます。発音のポイントや、発音時に必要な口や舌の微妙な動きについては、的確な日本語による説明の方が、理解も習得もスムーズです。また、日本人にありがちな発音の特徴やミスは、ネイティブ講師には感覚的に捉えづらいことも少なくありません。こうした点からも、音声学の知識を備えた日本人講師による指導の方が、より的確で効果的です。さらに、疑問点を母語で正確に伝えられることも、学習効率の向上につながります。

 

Q. マンツーマンレッスンだけですか?

A. はい。発音レッスンは会話練習と異なり、受講者同士で効果的に取り組める演習はほとんどありません。また、受講者が二人いる場合は、一人あたりに割ける指導時間が半減し、学習効率も大きく低下してしまいます。そのため、当ワークショップでは、すべてのレッスンをマンツーマン方式で行っています。

 

Q. 何回のレッスンが必要ですか?

A. ご本人の現在のレベルやレッスン後の進み具合によって大きく異なりますが、これまでの経験から申し上げると、すでに発音の基礎がある方は20~40回(50分/回)程度、基礎からしっかり見直したい方は70~80回程度が目安です。英語の発音は、母音や子音に加え、あいまい母音(schwa)・リズム・イントネーションといった要素も含めて、総合的に身につける必要があります。これらを一つずつ段階的に習得していくため、ある程度のレッスン回数が必要になります。

 

Q. もっと短時間で発音をよくすることはできないのですか?

A. かなり難しいと思います。なぜなら発音の矯正とは、私たちが長年、日本語を話す中で身につけてきた「日本語発話でよく使う筋肉運動のパターン」を徐々に学び直すことなので、短時間で行うことは困難だからです。イメージ的には勉強というよりは、むしろスポーツジムでインストラクターの指導のもと、時間をかけて体型を変えていったり、間違った運動のクセを直していくトレーニングと考えるほうが近いと思います。

 

Q. 週何回ですか?

A. 週1回、曜日と時間を固定し、毎週継続して受講していただく固定制です。毎回、レッスン終了後に、次回の日時を確認します。

 

Q. レッスンの振替はできますか?

A. はい。次週への振替も可能ですし、レッスン枠が空いていれば予定日の前後にずらすことや、時間帯を変更することもできます。

 

Q. 担当の講師は変わりますか?

A. いいえ。すべてのレッスンを代表が担当しています。

 

Q. 宿題は出ますか?

A. はい。毎回、必ず何らかの課題を出します。発音を向上させるには、ご自分で机に向かい、時間をかけて取り組んでいただくことが欠かせません。たとえば、その回に扱った発音が含まれる短文の音読・暗記や、モデル音源の後にご自分の発音を録音し、聞き比べ、その差を縮めてみる、といった練習です。録音した音声ファイルは課題としてご提出いただき、問題点があれば、次回のレッスンで解決するようにします。

 

Q. 課題提出の締め切りはいつですか?

A. 次回レッスンの24時間前です。送っていただいた音声は、再生速度を変えたり、ピッチを分析したりしながら、何度も聴き直して確認します。その上で、問題点を洗い出し、解決策を考えながら添削を行っています。こうした作業には平均で2~3時間ほどかかるため、それに必要な時間を確保するためです。

 

Q. 全くの初心者でも大丈夫ですか?

A. はい。プライベートレッスンですので、受講生それぞれの習熟度に合わせたレッスンプランを組み立てています。無理なく段階的に進めていきますので、ご安心ください。

 

Q. イギリス英語とアメリカ英語、どちらの発音を学ぶべきですか?

A. どちらを学んでも問題ありません。イギリス英語(British English)とアメリカ英語(American English)は、発音の基礎がほぼ共通しており、優劣はありません。ただ、母音や /r/ の発音などに違いがあるため、両者の発音はあまり混同しないほうがいいと思います。日本では、戦後の教育制度の影響などからアメリカ英語が主流ですが、これは主にアメリカ、カナダ、南米諸国、日本、韓国、フィリピンなどに限られます。一方、イギリス英語は、ヨーロッパ諸国や旧英連邦に属するオーストラリア、ニュージーランド、インド、そして多くのアフリカ諸国で使われています。日本人が発音しやすいのは、/r/ の音が軽く、舌の動きが少ない、イギリス英語だと私は思います。

 

Q. どのようなイギリス英語の発音を教えていますか?

A. 現代の標準的なイギリス英語(SSB: Standard Southern British)をお教えしています。これは、かつて RP(Received Pronunciation)と呼ばれていた発音の流れをくむもので、明瞭で知的な印象を与えつつも、posh(気取った)すぎない発音として、ビジネス・教育・放送などの分野で広く使われています。レッスンでは、SSB の研究と指導で知られる音声学者 Geoff Lindsey 氏が、UCL(ロンドン大学)の英語音声学夏期講座で行った講義内容や、著書『English After RP』(音声学者・牧野武彦氏による書評はこちら)を参考にしながら、この発音を体系的に学んでいきます。

 

Q. 講師の発音を聞けますか?

A. はい。イギリスの代表的な児童文学である C. S. Lewis のナルニア国物語「魔術師のおい」の冒頭を2分程朗読(テキストはこちら)や、ブログのウィリアム・シェイクスピアのソネットの朗読でお聞きになれます。

 

Q. 対面レッスンや出張レッスンは可能ですか?

A. 現在はオンラインレッスンのみ承っております。当ワークショップでは、音声分析ソフト「Praat」を使用し、受講者の発音の特徴をグラフで可視化しながら解説する場面が多くあります。また、再生速度を調整した音声や、動画の画面共有など、オンラインならではの機能を活用することで、より効果的なレッスンが可能となっています。そのため、対面・出張レッスンは現在行っておりません。

 

Q. 英会話、文法、英作文なども教えてもらえますか?

A. 申し訳ございませんが、当ワークショップは発音レッスンに特化しており、英会話・文法・英作文などはお教えしておりません。

 

Q. オンラインレッスンの時間帯はいつですか?

A. 午前9:00~午後6:00 です(最終枠は午後5 :00 開始)。定休日は特にありません。 

 

Q. 講師のレッスン経験はどのくらいありますか?

A. これまでに累計800時間以上、イギリス南部標準発音(SSB)に特化したマンツーマンレッスンを行ってきました。毎回のレッスンでは、音声分析ソフト「Praat」を使い、受講者が提出した音声を客観的かつ詳細に分析しています。その結果をもとに、平均2〜3時間かけてフィードバックを作成し、レッスンプランを調整。受講者一人ひとりの課題に合わせた指導を行っています。

 

Q. どのようなテキストを使っていますか?

A.レッスンでは、以下の書籍を参考にしています。

■ “Work on your Accent”(H. Ashton & S. Shepherd 著)

標準的なイギリス英語の発音を学ぶための参考書で、発音矯正の専門家によって執筆されています。日本の英語発音教育を扱った研究書『日本人は英語の発音をどう学び、教えてきたか』(田邉裕司 著、研究社)でも、「別格」として高く評価されている質の高い教材です。

 

■ “English Phonetics and Pronunciation Practice”(P. Carley, I. M. Mees, B. Collins 著)(日本語版あり

著者たちは、ロンドン大学(UCL)の SCEP(英語音声学夏期講座)で英語音声学を講じてきた実践家でもあり、音声学の基礎理論から現代イギリス英語の発音までを幅広く網羅しています。豊富な練習ドリルを通じ、実践的なトレーニングができる内容となっています。

 

■ “Intonation of Colloquial English”(J. D. O'Connor & G. F. Arnold 著)(日本語版あり

1973年出版の古典的名著で、イギリス英語のイントネーション理論における基本書のひとつです。私が参加した UCL の英語音声学夏期講座でも毎年言及されていた、信頼性の高いテキストです。

 

これらの書籍は参考資料の一部です。実際のレッスンでは、受講生一人ひとりの目標や課題を丁寧に見極め、必要な説明や練習を取り入れ、日本人学習者にとって効果的な内容となるよう工夫しています。

 

Q. レッスンは時間通りに終わりますか?

A. 原則として、1回50分の設定で進めていますが、発音の変化が見え始めたタイミングや、確認・復習を丁寧に行いたい場面では、20〜30分程度延長することがあります。もちろん延長は強制ではなく、受講者の都合を最優先していますので、当日の予定がある場合は、事前にお知らせいただければ時間通りに終了します。

 

CELTA取得時には、5分単位でレッスンプランを作成し、それに従って実践する時間管理の訓練を受けており、また英会話学校勤務時代には、受講者間の公平性を保つ観点から、時間厳守を徹底していました。現在は、そうした経験を土台に、熱意と柔軟性のバランスを大切にしながら、レッスンを行っています。

 

Q. レッスンが延長された場合、追加料金はかかりますか?

A. いいえ、かかりません。レッスン時間を延長した場合でも、追加料金は一切いただいておりません。あくまで、発音改善の区切りが良い場面や、必要な確認が残っている場合に、講師の判断で柔軟に時間を調整しているものであり、受講者の費用負担が増えることはありません。

 

Q. レッスンを延長した場合、他のレッスンで短縮調整しますか?

A. 受講前の面談では、「延長した場合は、別の回を短縮するなどして、平均50分程度に調整します」とご案内しています。ただし、実際のレッスンでは内容の流れや理解の深まりを重視しているため、これまでに短縮したのは数回のみで、それも最大で5分程度でした。必要がある場合には、少し長めに丁寧に進めることが多くなっています。